
水虫の原因である白癬菌(はくせんきん)はカビの一種です。もともとは土のなかに住んでいたカビの仲間が、進化して人の皮膚のケラチンを栄養とするようになったと言われています。
水虫は適切な治療で治る病気です。しかし、途中で治療を止めれば、「夏が来るたびに再発をくり返す」という状況になってしまうことはよくあります。「かゆみが治まった」「じくじくしなくなった」「塗っていてもあまり変化がなくなった」等の理由で勝手に治療を止める人が多いためです。水虫治療の大敵は「自己判断」です。
水虫の種類や場所等により治療期間は異なります。一見治ったように見えても、厚い皮膚の角質層の中に菌が潜んでいることはよくあります。こうした菌はタイミングを見て再び活動を開始しますので、症状がなくなったあともしばらくは根気よく治療を続けましょう。医師と患者、一緒に協力することが治療に一番大切です。

「いぼ」は、主として足の裏、手指等にできる結節状のしこりで、原因はイボのウイルス(ヒト乳頭腫ウイルスHPV)です。ウオノメやタコと間違って、自分で削ろうとすると周りに広がってしまいます。
免疫力がまだ未熟な子供の頃に出来ることが多いですが、大人でも出来ることがあります。
足の裏など、体重がかかる場所に出来たものは、深く食い込んだいぼとなって直りにくくなることも多いです。
治療は、堅くなったイボの表面を削り、液体窒素で凍結療法を行うことです。
治りにくい足の裏などでは半年から一年、場合によっては数年の単位で時間がかかることもあります。
大きくなってしまったいぼはなかなか治療に時間がかかりますが、一緒にがんばりましょう。

ポックスウイルス科の伝染性軟属腫ウィルスが皮膚について増えたもので、通常は子供の病気です。
増えていく傾向が見られたら早めに治療することをおすすめします。
乾燥肌でいぼにかかったことがあり、本人や家族にアトピー性皮膚炎等の症状があってかゆみを訴えることが多いなら、ひっかき傷と一緒に増えてしまうことがあるので、早めに治療を始めることをお勧めします。
子どもさんの場合、処置をする前に局所麻酔薬のテープを水イボに貼っておく等しておくことによって取るときの痛みをかなり軽減できます。
平成11年4月1日より、学校保健法施行規則が一部改正され、現在「水いぼ」は単に「通常登園停止の措置は必要ないと考えられる伝染病」であり、また「原則としてプールを禁止する必要はない」とされています。

細菌が皮膚にじくじくした領域をつくり、掻きむしった手を介して水ぶくれ(水疱)ができます。
あっという間に体のあちこちに広がる様子が、火事の時に火の粉が飛び散って「飛び火」することの連想から、「とびひ」と呼ばれるようになった、と言われています。
とびひでは、じくじくの中に住んでいる細菌を退治することが治療の中心となります。また、かゆみとともに広がるため、かゆみを抑える治療も大切です。
とびひは、広い範囲に広がらないうちに治療を始めると、より早く治すことができます。
気になる症状があれば、早めに皮膚科を受診しましょう。

アトピー性皮膚炎とは、もともとアレルギーを起こしやすい体質や、皮膚のバリア機能が弱い人に見られる皮膚の炎症性疾患です。主症状は「湿疹」と「かゆみ」で、良くなったり悪くなったりを繰り返し、なかなか治らないことが特徴です。ご家族やご本人にアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどがある場合が見られ、このような体質のことをアトピー素因といいます。
皮膚は、体の外から入ってくる様々な物質を寄せ付けないようにする「バリア」の働きをして、アレルギーの元(アレルゲン)の侵入を防いだり、体に水分を保持したりしています。アトピー性皮膚炎では、こうした皮膚の「バリア機能」が弱まっているため、外からのアレルゲンが容易に入りこむことができる状態になっています。かゆみのために皮膚を引っかいたりこすったりして、皮膚の「バリア機能」が破綻することもあります。バリア機能が低下すると、さらに広範なアレルゲンに反応してしまうようになるため、アトピーは悪化してしまいます。このため、皮膚からかゆみをとり、保湿を行って、よりよい皮膚の「バリア機能」を維持することはアトピー性皮膚炎の長期的な治療のためにはとても大切なことであると考えられています。
アトピー性皮膚炎では、赤みがあって、引っかくと液体が出てくる、ささくれだって皮がむける、等の皮膚の湿疹が、左右対称にできることがよくあります。場所としては、おでこ、目のまわり、口のまわり、耳のまわり、首、わき、手足の関節の内側などに出やすいと言われます。こうした湿疹は、長引くとごわごわ硬くなって盛り上がることもあります。このようなアトピー性皮膚炎による湿疹を「つるつるの状態になるまで」治療することは、アトピー素因自体をコントロールするためにとても大切です。あまりひどくなる前にきちんと治療を行い、より皮膚の状態を維持継続することをお勧めします。
このグループの代表は上記のアトピー性皮膚炎ですが、他にも多くの病気が含まれます。
湿疹にはアレルギーが原因でおるものもありますが、必ずしもアレルギーが関係ないもの(非アレルギー性)のものもあります。
アレルギーが関係しているものの例は、ピアスによる皮膚炎(金属アレルギーによる皮膚炎)、非アレルギー性の接触皮膚炎の代表例は、いわゆる「おむつかぶれ」があります。
ごく一般的に言われる湿疹で、例えば、手荒れ、主婦湿疹などが含まれます。仕事や作業と関連する場合にはなかなか治りにくく、やっかいな状態です。薬物治療に加えて、皮膚ケアの仕方などの指導を行います。
汗のように、皮膚に油分を供給する外分泌腺である、皮脂腺のある場所にできます。
皮脂腺が多いのは頭部、顔面、胸部、背部、わきで、この部分にフケを伴った軽い痒みなどの症状を伴う湿疹が出ることがあります。
単なる炎症だけでなく、真菌(カビの仲間)が関係することがあり、きちんと診断する必要があります。
ビダール苔癬(たいせん)貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎などがあります。

「蕁麻疹」という言葉は、日本に自生する「イラクサ」の名前「蕁麻(じんま)」を語原としているとされています。イラクサは、茎や葉に細かい棘があり、基部にはヒスタミンや蟻酸が含まれた袋があり、これが皮膚につくと痛みやかゆみがおこります。このイラクサが引き起こす発疹を蕁麻疹と呼んだのがはじまりで、同じようにヒスタミンの働きで生じるかゆみを伴った病変が蕁麻疹と総称されるようになりました。
蕁麻疹と湿疹は、どちらにも赤みやかゆみをともないますので、よく混同されています。しかし、この二つは皮膚の病気としては違うものです。湿疹は、特定の場所の皮膚表面に赤い皮疹ができ、次第に悪化していく傾向がみられます。一方蕁麻疹は、突然、皮膚が赤く盛り上がる皮疹がでて、24時間以内におさまる場合が一般的です。また、体の一部に限局してできる湿疹と違い、蕁麻疹は全身に症状が及ぶこともあります。蕁麻疹と湿疹では、治療に使う薬も異なるため、正しく診断することが肝心です。
蕁麻疹の原因は、アレルギー反応によるもの(アレルギー性)と、アレルギー以外の原因があるもの(非アレルギー性)に大別されます。多くの場合、蕁麻疹の原因は特定が難しく、全体の約80%は原因不明です。たとえばエビを食べると毎回、蕁麻疹を発症するというのであれば、血液検査の結果と合わせて、エビアレルギーによる蕁麻疹と特定することができます。しかし、原因が分からなければ、やみくもに原因を除去できるわけではなく、治療が難しくなることがあります。症状を鎮めるためには一般的に抗ヒスタミン薬を内服します。
また、原因不明の蕁麻疹を繰り返す場合は、継続的な治療が必要になります。

カ、ブヨ、ダニ、ハチなどの虫が人間の皮膚を刺し、または人間の血を吸うことで痛みやかゆみを感じ、また刺された場所に赤みや腫れなどを生じる状態を虫さされといいます。
虫の種類や刺された人の体質などにより、腫れや蕁麻疹などの症状がすぐに出る場合(即時型反応)と、水ぶくれ等が1~2日経ってから出る場合(遅延型反応)とがあります。虫が皮膚を刺したり咬んだりしたときに、虫が持っている毒の成分や唾液の成分がアレルギーの元(アレルゲン)となったり、あるいは直接に免疫系統に働いてヒスタミンなどが分泌され、皮膚炎が起こります。つまり多くの虫さされは、虫の毒成分などに対するアレルギー反応なので、アレルギーの治療と同じような治療薬が用いられます。
最近では、衛生環境の改善によってダニ咬症の頻度自体は減っていますが、と言って消えてしまった病気という訳ではなく、最近の生活様式に合わせた病気の状態を示しています。ヒトヒゼンダニ(疥癬虫)による疥癬は、きわめてかゆみが強く,とくに夜間に激しいかゆみを伴う丘疹が多発します。寝具などを介しても感染するため、介護施設や院内感染として発症することがよくあります。治療にはノーベル賞を受賞したイベルメクチンという薬が使用されます。

身体の左右どちらか一方に、「ピリピリする」「刺すような」痛みがまず起こり、引き続いて赤い斑点と小さな水ぶくれがベルトのように「帯状」にあらわれる病気です。この症状のため「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」という名前になりました。
帯状疱疹は、身体の中に潜んでいたヘルペスウイルスの一種、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって起こります。小さいころに水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。現在、帯状疱疹にはワクチンがあり、また治療する薬があります。早期に治療することによって症状を軽くすることができます。また帯状疱疹の後に痛みを残すことがあり(帯状疱疹後神経痛)、この痛みには通常の痛み止めとは別の種類薬が効果を上げることがあります。

ニキビとは、毛穴に発生する慢性炎症性疾患、または、炎症を起こす前の状態で、以下のような状態があります。

靴などによる慢性刺激が原因でできる、皮膚の分厚くなったところがタコやウオノメと呼ばれる病変です。ウオノメは、通常大人の足の裏やあしゆびなどにできる、直径5~7mm程の硬い皮膚病変で、歩くと痛いことが特徴です。中心に眼のような芯が見えるので俗にウオノメといいますが、専門用語では鶏眼(けいがん)つまり「トリノメ」です。
タコ(専門用語ではベンチ)は刺激を受けた辺り全体の皮膚が少し黄色味を帯びて、厚く硬くなって盛り上がります。ウオノメがふつう足の裏にできるのに較べて、タコは足の裏以外にも、生活習慣や職業などにより、身体のあちこちにできます(書き物をする人のペンダコや、正座をする人の座りダコ)タコではウオノメと違って痛みの無いことが普通で、むしろ厚くなった角質のために感覚が鈍くなっていることもあります。タコで痛みや赤みを伴う場合は、炎症を起こしている可能性があり、治療が必要です。
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)とは、皮膚から落るべき角質つまり垢と皮脂が、皮膚の中にできた袋にたまってできたドーム状の腫瘤のことを言います。本当の意味での腫瘍ではありませんが、たまった垢や皮脂に感染を起こして腫れ上がったり、膿が出たりすることがあります。痛みを伴う炎症がある場合は、表面の皮膚を少し切って、膿みを外に出すことがありますが、落ち着いているときに外科的切除手術(メスを使ってアテロームを表面の皮膚ごと切り取って縫ってしまう)をすることもあります。

シミは環境的な因子によって生じた後天的な色素沈着です。一般的にシミと呼ばれるものの中には、ホルモンバランスによって生じる「肝斑」(かんぱん)、加齢性変化から生じる「老人性色素斑」、ニキビなど、炎症が起こった後に残る「炎症後色素沈着」などが含まれます。また、そばかすは、遺伝的な要因によって生じる色素斑で、「雀卵斑」(じゃくらんはん)といいます。シミとは逆に加齢と共に薄くなる事もあって、シミとは別の経過をたどります。
女性ホルモンの影響で生じるといわれ、30~40代の女性に多く見られます。閉経により消え、また逆に妊娠やピルの服用時に現れやすくなります。色素沈着としては額や鼻の下に濃淡の均一なものとして現れます。
紫外線を浴びて、すぐに生じるようなものではありませんが、長期間にわたって、皮膚に紫外線で受けたダメージが蓄積することが原因です。ただ、このタイプの色素沈着は、一度できてしまうと改善するのは難しいため、日々の紫外線対策による予防が重要です。
シミの角質化が進み、盛り上がってきたものを脂漏性角化症と呼びます。外見はイボのようになり、冷凍療法やレーザー治療といった外科的な治療を行います。また一見脂漏性角化症は、外見から皮膚がんと区別しにくいことがあり、注意が必要です。

円形脱毛症の原因は、はっきりとわかっていません。近年有力なのは、髪の毛の毛根に対して免疫機能が暴走するという「自己免疫異常説」です。さらに自己免疫異常の要因としては、疲労や感染症などの肉体的・精神的なストレスとされていますが、これに関しても諸説あります。よく似た症状として「抜毛症」があります。抜毛症とは、自分で頭髪を抜いてしまうことで、人間関係で悩みを持つおとなしい性格の子どもや思春期で多いと言われています。抜毛症は円形脱毛症と症状が似ているため、混同されることもあります。抜毛症は脱毛斑の境界があいまいだったり、毛が途中でちぎれていたり、利き手側に脱毛斑が集中しているなどの違いがあります。

男性型脱毛症で悩む人は、現在全国で1,260万人(10人に一人)といわれています。思春期以降の男性に生じ、前頭部の髪の生え際の後退、あるいは頭頂部の髪の量が減って地肌が見えやすくなる症状が最も典型的です。男性型脱毛症の多くは、男性ホルモン「テストステロン」が酵素により変換されてできた「ジヒドロテストステロン」の働きに関係して起こります。このジヒドロテストステロンの生成を抑える薬物を使うことでAGAは進行を抑えることができます。頭髪治療にご興味のある方はまず病院で相談しましょう。
やけどは熱によっておこる皮膚の外傷です。やけどの部位・範囲・程度によっては生命にかかわる場合もあるので、重症度についての診断が必要です。やけどの程度は、Ⅰ~Ⅲ度に分類されますが、現実的には受傷直後の判定はむずかしいことがよくあります。
まず受傷部位を冷やすことがたいせつです。衣服の上から受傷した場合は無理に脱がせず、まず流水で冷やします。冷やすことでまず痛みがやわらぎ、またやけどが深く進んでいくことが軽減できます。Ⅰ度のやけどで範囲がせまい場合は、冷やすだけで改善します。水疱ができた場合は、できるだけ破らないようにします。きれいな水疱膜はしばらくもとの皮膚のかわりとして傷口を保護し、感染予防などに役立ちます。Ⅱ度以上のやけどの治療には抗菌薬などの外用が必要になります。Ⅲ度のやけどでは、総合病院での緊急治療が必要です。

冬の寒く乾燥した時期は、手や足の先が冷えることによって硬く腫れ、痛みや痒みが続くようになることがあります。医学的には凍瘡(とうそう)と言い、寒さや冷えで血行が悪くなって起こる炎症のひとつです。
乾癬は炎症性角化症の一つで原因は不明です。青年から中年に好発し、厚い銀白色の鱗屑(りんせつ)を伴った紅斑,丘疹が出現します。表皮に炎症が起きて、角化細胞のターンオーバー(いれかわり:皮膚が張り替わる現象)が亢進しているといわれます。臨床的には尋常性乾癬,滴状乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症の4型があるとされます。約15%には関節炎を合併(乾癬性関節炎)するので注意が必要です。治療には活性型ビタミンDやステロイドなどの外用剤のほかに、レチノイド内服、最近ではモノクローナル抗体による生物学的製剤も開発されています。
真皮乳頭および乳頭下層での血管拡張や充血により生じる紅色の斑のことを紅斑といいます。広がった血管の中で血液が増えているものの、血管外へは漏出していないので,ガラス板で圧迫することで血管内の血液が移動して赤色が消えるのが特徴です(硝子圧法による退色)。炎症を伴い,血漿成分が真皮ににじみ出てみずみずしく見えるような紅斑を,滲出性紅斑といいます。
紫から鮮紅色を呈する斑で皮内出血によって生じます。この時血液は血管外へ漏れ出しているため硝子圧法により退色しません。(紅斑との違い)直径2mm 以下の小さなものを点状出血、10~30mm 程度の大きなものを斑状出血、さらに大きく場合によっては隆起するものを血腫といいます。「紫斑」といいますが、紫の色調は,出血が起こってすぐは鮮紅色に近く(ヘモグロビンの色調),時間経過とともに褐色調(ヘモジデリンの色調)へ変化します。体の中で分解が進むにつれて青色調や黄色調に変化しますが、最終的には消失することが一般的です。

褥瘡は、寝たきり等、皮膚が長時間圧迫されることにより、血流が悪くなり、皮膚や、皮下組織、場合によっては筋肉まで組織が傷んでしまった状態です。この時の範囲(広さと深さ)は圧迫の強さ、持続時間、皮膚のズレの程度に影響を受けます。強い圧迫が長い時間続けば筋肉に達する深い褥瘡ができます。普通は、無意識のうちに体を動かして同じところに長時間の圧迫が加わらないようにしています(体位変換)。しかし、自身で体位変換できない状態の方では褥瘡ができることがあります。特に、骨がでっぱったところには褥瘡ができやすくなります。